2001年の日本の主な火山活動

 2001年(平成13)年は、三宅島での火山ガス放出活動が継続し、全島の住民がいまだに島外へ避難した状態が続いている。有珠山は、マグマ活動は終息し、噴火活動も停止した。全国の活火山で人的災害はなく、火山噴火予知連絡会の統一見解を報じる以外の臨時火山情報の発表はゼロであった(記事は2002年1月現在)。

 2001年に噴火した火山は次の6つの火山である。

有珠山(北海道)
 2000年来の火山活動が続き、金比羅山火口(K−B火口)から空振を伴う小規模な噴出が続いた。しかし、9月13日以降空振が観測されなくなり、噴石の放出も停止し、全面湯溜まりとなっていることが確認されている。火山噴火予知連絡会は、5月、マグマ活動は終息したとの見解を発表した。有珠山のページへ

三宅島(東京都)
 20000年来の噴火活動が続き、多量の火山ガスの放出活動が続いている。時折空振を伴う火山性微動が発生し、火山灰の放出が見られることもある。気象庁の実施している観測では、約1万トン〜数万トン/日程度の二酸化硫黄が放出されていることが確認されている。火山ガスの放出量は低下傾向にはあるものの、現在も多量の火山ガス放出が続いている。三宅島のページへ

硫黄島(東京都)
 9月21日に南東沖約150〜200m付近で海底噴火が見られた。また、10月19日には、島の北西部の海岸で水蒸気爆発があり、断続的に続いた。23日には終息した。

桜島(鹿児島県)
 南岳の山頂噴火が続いた。1年間で110回(2000年は169回)の爆発が発生した。噴火に伴う被害は発生していない。

薩摩硫黄島(鹿児島県トカラ列島)
 小さな規模の火山性地震の多い状態が続いており、火山性微動も観測されている。島内で降灰が観測された。

諏訪之瀬島(鹿児島県トカラ列島)
 活発な噴火活動が続いている。地震活動もやや活発である。

 この6火山以外の主な火山活動は、次のとおりである。
 雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、北海道駒ヶ岳(いずれも北海道)で火山性地震の活発化や火山性微動などの現象を観測した。また、岩手山(岩手県)、安達太良山(福島県)、新潟焼山(新潟県)では噴気活動が活発である。吾妻山、磐梯山(福島県)では地震活動が活発である。浅間山(群馬・長野県)では地震活動がやや活発である。箱根山(神奈川県)では、6月下旬以降規模の小さな地震活動があり、地殻変動も観測されたが、次第に低下した。阿蘇山(熊本県)では火口壁の赤熱現象が観測されている。富士山(山梨・静岡県)では、深部低周波地震の活動が4〜5月に一時的に活発となった。

 気象庁は、次のように13火山で火山情報を発表した(定期火山情報を除く、かっこ内は発表回数)。火山情報の種類については気象庁の火山監視と火山情報を参照。
 2001年は緊急火山情報を発表した火山はなかった。また、三宅島の3回の臨時火山情報は火山噴火予知連絡会の統一見解を報じるためのものであり、それを除く臨時火山情報の発表はなかった。1年間通じて異常現象に伴う随時の臨時火山情報発表がなかったのは史上初である。

臨時火山情報を発表した火山(1火山)

    三宅島(3)
火山観測情報を発表した火山(13火山)
    樽前山(2)、有珠山(32)、北海道駒ヶ岳(2)、岩手山(14)、吾妻山(3)、磐梯山(41)、三宅島(730)、硫黄島(4)、阿蘇山(7)、雲仙岳(1)、薩摩硫黄島(4)、諏訪之瀬島(15)

2002年の火山活動
2000年の火山活動
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