２００４年（平成１６）年も、三宅島での火山ガス放出活動が継続し、全島避難が続いたが、全国の活火山で人的災害はなかった。三宅島は２月には避難指示解除の予定である。臨時火山情報は、阿蘇山、口永良部島、草津白根山、浅間山で発表された（記事は2005年1月現在）。

　２００４年に噴火した火山は次の６つの火山である。

十勝岳（北海道）
　２月と４月にごく小さな噴火が発生した。噴煙活動は活発である。

浅間山（長野県、群馬県）
　９月１日に２１年ぶりの爆発的噴火が発生した。またマグマが上昇して山頂噴火を繰り返すようになった。浅間山のページ

三宅島（東京都伊豆諸島）
　１１〜１２月に小規模な噴火があった。火山ガスの放出は続いたが、後半はやや放出量は少なくなり、二酸化硫黄の放出量は２０００〜５０００トン／日である。三宅島のページ

桜島（鹿児島県）
　南岳の山頂噴火が続いた。１年間で１１回（２００３年は１７回）の爆発が発生した。年間爆発回数は、南岳の山頂噴火活動が始まった昭和３０年（１９５５年）以降では３番目に少ない。噴火に伴う直接的被害は発生していない。

薩摩硫黄島（鹿児島県トカラ列島）
　３〜１０月に小規模な噴火が時々発生した。１１月以降は比較的落ち着いた状態である。

諏訪之瀬島（鹿児島県トカラ列島）
　活発な噴火活動が続いている。

　この６火山以外の主な火山活動は、次のとおりである。

　阿蘇山では、火山性地震や孤立型微動が多く発生している。火口底の湯だまりの温度上昇、湯量の減少など火山活動がやや活発となっており、１月には規模の大きな土砂噴出が発生した。
　２００３年１２月に出現した霧島山の御鉢火口（高千穂峰の西）の噴気活動はやや活発である。
　その他の火山では、雌阿寒岳、樽前山で火口温度が高い状態が続いている。北海道駒ヶ岳では、長期的な山体の膨張が続いている。吾妻山の火山性地震が活発になった。草津白根山では変色水が観測された。富士山では低周波地震、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、口永良部島で火山性地震がと時々活発になった。また、福徳岡ノ場などの海底火山では変色水域が見られている（海上保安庁による）。
　

　気象庁は、次のように１３火山で火山情報を発表した（かっこ内は発表回数）。火山情報の種類については気象庁の火山監視と火山情報を参照。
　２００４年は緊急火山情報を発表した火山はなかった。

臨時火山情報を発表した火山（４火山）

草津白根山(1)、浅間山(3)、阿蘇山(1)、口永良部島(1)

十勝岳(1)、吾妻山(2)、浅間山(193)、伊豆大島(4)、三宅島(731)、阿蘇山(60)、霧島山(23)、桜島(1)、薩摩硫黄島(4)、口永良部島(18)、諏訪之瀬島(13)