カリムスキーの地震と微動

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今回の共同観測により得られた記録をみると、カリムスキー火山で発生する火山性地震と微動は次の4つに大別される。同時に設置した空振計(低周波マイクロフォン)の記録とともに示し、その特徴を述べる。また、ここに示した以外にも西側の近傍の観測点だけで明瞭に観測される高周波の震動があるが、西側溶岩流の一部崩壊によるものと推定される。以下はすべて40秒間の記録である。




1.高周波地震(A型地震)


10Hz程度の高周波の成分に富み、P相、S相の明瞭な地震で、期間中に観測された地震については、震源は、カリムスキー火山の北東山麓および南方領域と考えられる。


A型地震の地震計記録。火口からの距離1.5kmの観測点のデータ。(以下も同様)


A型地震の空振計記録。何も記録されない。


2.爆発地震


爆発的噴火に伴い発生する。1-2Hz程度の低周波の成分に富み、初動はあまり明瞭ではない。大きい爆発では火口周辺に噴石が飛散する。空振計には爆発に伴うパルスが記録される。10〜20分おきに発生し、噴煙の高さは数百m程度だが、1000mを超すものもまれにある。震動と空振の振幅からみて諏訪之瀬島の爆発に近い規模と考えられる。



爆発地震の地震計記録。


爆発地震のときの空振計の記録。


3.ハーモニックな微動

爆発地震に続く形で発生する。継続時間は1分から3分程度である。空振計にもハーモニックな振動が記録され、周期的に爆発音が聞こえる。連続的な白色〜灰白色の噴煙を伴う。ハーモニック微動の移動スペクトル



ハーモニック微動の地震計記録。


ハーモニック微動にともなう空振計の記録。


4.噴火微動

数Hz以上の高周波の成分に富み、継続時間は短い(1〜2分)。空振計には連続的な空振が記録される。連続的な有色噴煙の放出を伴い、ジェット音を伴うこともある。



噴火微動の地震計記録。


噴火微動のときの空振計の記録。


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